2015年3月23日月曜日

FedExでのヒト検体送付の記入例

UNdiagnosed』にまとまりをもたせるために、節の分離作業を行っています。

 [ミトコンドリアDNAの検査]の節で、DNA検査会社のオムニスワブにより細胞を採取した。その後、FedExで米国のDNA検査会社に送り返す方法について述べる。

 Family Tree DNAというDNA検査会社の検査では、米国内での輸送を前提にしているため、付属している封筒は米国国内用で、日本から検体を送り返すには、FedExや郵便局によるEMSといったサービスを利用しなければならなかった。ドイツに血液検体を送った時に利用したFedExが高価であったため、安価なEMSで送り返したのだが、私が送った当時は窓口でヒトの検体の手順がFedExほど親切に教えてもらえず、一部の研究所でなければ絶対に送れないと言われたので、最終的には物品名を"COLLECTION KIT"として発送してしまった。実際には、インターネット上にEMSで米国に唾液や血液を送るという記事も多く、しかしそれらも物品名が不明瞭に説明されていることが多い。現在EMSのウェブページを確認すると、3年前よりわかりやすくはなっている。それでも、家畜用の血清については明瞭に解説されているが、ヒトの全血や唾液は解説を見つけることができない。FedExも検体のことを「見本」と表記していたり、おかしなところは多少あるが、それでもクリニカル・パックという医療検体専用の封筒を用意して、利用手順を解説しようとしてくれている。米国が交戦中の現状では、やはりEMSで物品名としてどう記入するのが最も適切か分からない限り、費用は高いが分かりやすいFedExで送った方が安全と言える。

 言い訳に聞こえるだろうが、考えてみれば切手を貼るために唾を使うのも人体の構成物を送っているわけなので、そういった行為が一部で慣習的に行われている現状においては、EMSでもFedExでも、あるいは日本と米国の政府でも、ヒトの唾液や頬の内側の検体については、血液とは違うので、もう少し緩い基準をもうけていただきたいと思ったりもする。

 FedExのクリニカル・パックを利用して海外に唾液の検体を送られた手順を、とても詳しく解説してくださっている記事があって、そちらが参考になると思われる。Navigenetics社とdeCODEme社の場合である。deCODEmeに送った郵便局の小形包装物の方は、この方の場合も"COLLECTION KIT"と書かれている。

 私がFedExでドイツへと血液検体を発送した時の手順についても、今後、稀に血液検体の需要もあるかもしれないので、ブログ形式を用いて記した。

 FedExの伝票で最も重要な項目である物品名は、先のリンクで示したNavigeneticsに送られた方の写真によると、"EXEMPT HUMAN SPECIMEN (SALIVA) NON-INFECTIOUS NON-HAZARDOUS"となっている。これがFedExの場合に唾液を送る最も適切な物品名と思われる。FedExによる説明から、関連すると思われる部分だけ抜き出しておく。

(『梱包の手引き』§ FedEx, 2014年12月12日閲覧 より)

医療用見本の梱包
お客様が出荷される医療用見本の梱包、マーキング、ラベル貼付の際にこのガイドをお役立てください。なお、発送地や仕向地によっては、お取り扱いできる品目に制限が付される場合がございます。詳しくは弊社カスタマーサービス (0120-003200) までお問い合わせください。 
(略)
マーキングおよびラベル貼付
お荷物に「Exempt Human Specimens」または「Exempt Animal Specimens」とマーキングしてください。この文字を記載したラベルを貼っていただいても差し支えありません。
(略)
外装サイズが、フェデックスが受託可能な最小サイズである18 x 10 x 5cm (7 x 4 x 2インチ) 以下の医療用見本を発送される際には、このフェデックス・クリニカル・パックのご利用をおすすめいたします。
お客様の荷物を安全かつ配達約束時間通りにお届けするために、フェデックスでは、フェデックス・クリニカル・パックとフェデックス・クリニカル・ボックスで輸送するお荷物を他の荷物とは別に取り扱います。

私が昔ドイツに発送したときには、こちら§のもっと分かりにくいものだったと思うが、現在は改善されて比較的分かりやすくなっている。それでも、そもそも医師を通さないDNA検査を医療目的とは言わず、それはFamily Tree DNAの場合には家系図を調べる目的ということなので、クリニカル・パックを必ず利用しなければならないかどうかは分からない。実際Family Tree DNAの場合は検査結果として、健康については一切説明しない。ただ、家系を分析するのに有用な情報と、変異を報告するだけである。クリニカル・パックを利用するかしないかに関わらず、EMSよりFedExの方が情報が多く、フリーダイヤルの電話番号も示されている。

 私は検体を発送した後、念の為に、追跡番号を使ってトラッキングを行い、検査会社に届いたタイミングで、その会社のウェブサイトの問い合わせ用フォームから問い合わせを行い、一般郵便物と混ざっていないことを確認した。採取キットに付属の封筒ではなく、付属の封筒の上からEMSのための別の封筒で包んだためである。発送してから、到着を確認したというメールが届くまで約10日かかった。

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